自宅育児日記 30代虚弱体質子育て記録

切迫早産で自宅安静→入院→2270gで出産 現在育児中の30代女のブログです。

【読了】るるらいらい 小島慶子

読み終わって、人に勧めたくていてもたってもいられませんでした。でも、誰にでもお勧めというよりも、この本によって胸のすく思いをする一部の人にぜひ勧めたい、そんな素敵な本でした。読み終えた勢いのまま、感想を記します。

小島慶子さんは、元アナウンサーで、テレビでたまに見かけて真顔でスパッと切り込むなぁ、という印象があり、何のきっかけか忘れてしまったのですがツイッターをフォローし、共感することが多いなあと思っていた…という、殆ど知らない方で、なんとなく今回初めて本を読み、うわわわわ〜〜!!と驚愕してしまいました。

初めてkindleのマーカー機能使って、私が普段モヤモヤしていたことがきれいに言語化されている部分に色づけして、数日後に読み返しても、色褪せず自分の心をぐっとつかむ部分がいくつかあります。

特に中盤以降、家族のこと、夫婦のことについて。少しだけ引用して、この一文にビビっときた方、この前後にもたくさん素敵な内容が詰まっているのでぜひ!お勧めです。

子どもが生まれて変わる夫婦の仲

なぜ、子どもが生まれると夫婦仲がギクシャクするのか。今ならなんとなくわかる、でも、出産前は何故だかわからなかったことを、実に簡潔に表現してくれています。
以下引用いたします。

『子育ての意見の相違から 、お互いの本質の否定に発展してしまう 。ただお互いを心地よい距離で眺めていれば良かった頃には見なくて済んだ領域にまで踏み込まざるを得なくなるのだ 。』

そうだ、そうなんだ。子育てに向き合えば向き合うほど、相手の今まで気にならなかった部分が気になり、それを、子どもに受け継がせないようにと結果否定してしまう。それが目的ではないけれど、優先すべき子どもへの影響を思うと、気にせずにはいられず、指摘せずにはいられず、否定することになってしまうのだ。

夫への思い

私は夫のことを、どちらかというと男らしいと人に言うことがあるし、どんな人かと問われると「男たるもの〜〜だ」と思っているような人、と言っていたのだけれど、彼は男らしさに縛られていやしないかと思っていました。そして、そこから解放してあげられたら、とも思っていました。しかし、以下の最後の文。

『私は 、夫を不自由にしているものから夫を解き放ちたいと思うと同時に 、それを不自由だと思う私の魂に共感して欲しいとも思っている 。彼を 、ただ私の世界に引き入れたいだけなのかもしれない 。』

わぁあ〜〜〜〜、そうだ、それはもしかして、もしかしなくても、男らしさに縛られていると思う私への共感、理解を求めているということで、それは相手のことを思っているようでいて、実は自分の気持ちのことばかりを考えている、そのことに気づき、読みながら絶句しました。

大好きだった友人との距離

この本を読む前から、「子どもを産んで変わったと思うこと」というタイトルで下書きしていた記事があるのですが、それについてほんとーーーに私よりはるかにスマートに、客観的にまとまっていて(当たり前なんだけれど)、この一文だけで私の気持ちを全て代弁してくれると思ったのが以下の文です。

『絶え間なく続く彼女の話を聞きながら 、こうしてバラバラの孤独を抱えて 、この先も同じ速度で年を取っていくんだなあと思ったら 、なんだか切なかった。』

作者の小島さんの、女友達との旅行中に感じた心情です。もう、本当に、『バラバラの孤独』と『同じ速度で年を取っていく』切なさがわかりすぎて。
独身で、子供のいない、とても仲の良かった友人との生活、考え方の違い。どちらが良いとか悪いとかではなく、単に違うだけなのだけれど、昔は殆ど同じ環境の中で生きていたからその違いに驚いて、寂しく思う。こんなに違うのに、時間だけは平等にすぎていく。

………

もう本当に、私にインタビューしてきれいにまとめてくれたのかと思うほどに、言語化してくれていました。読むことで、もやもやと抱えていた悲しみが言葉に昇華していくのを感じました。
小島さんご自身のことを書いているのに、共感する事がばかりで、すごくありふれていますが1人ではないと思えたり…。

もちろん、考え方の違う部分もあって、それはそれでとても参考になって。例えば、愛しているからこそ夫に変わってほしいと思う、というような部分は私はとてもわかるけれどそうではない、とか。比較することで、自分の輪郭がはっきりしていくので、安心させてくれます。

また、ただいま日本とオーストラリアを往復する生活をされているらしく(そもそもその生活を書いたエッセイ本です)、オーストラリアに行ってみたいなぁ、と思うようになりました。

もっとこの方の本を読んでみたいです。忙しくなるぞぉ〜。