【読了】Black Box ブラックボックス 伊藤詩織
読んでよかったです。胸が痛いし、寝ている娘の寝顔を見ながら、娘の未来を憂いてしまって苦しいけれど、できるだけ多くの人に読んでもらいたいと思いました。賛否両論あるようですが、どういう意見であっても、まずは広くこの本に書かれていることについて議論されるといい、そう思います。
私もこの本について語り合いたいのだけれど、周りに読んだ人がいなくて、大変残念です。
顔と名前を出して性犯罪被害を告白するということ
これがどれだけ大変なことか、そして告白した後の実際のメディアでの反応を見ると、伊藤さんの勇気に感服します。
子を持つ親の気持ち
たびたび伊藤さんのご家族が登場しますが、親御さんが伊藤さんを思う気持ちを自分に投影し、本当に胸が痛い。そして、自分自身が親に思われる娘という立場としても、思うところがあるので胸が痛い。
加害者の追及ではなく、法律、捜査、社会のあり方への問題提起
伊藤さん自身が本の中で、告白することの目的は、性犯罪をとりまく法律、捜査、社会のあり方について伝えることだと言っています。
性犯罪は、犯罪が起こった瞬間の苦痛だけでははなく、その後も精神的苦痛が続く上、その後の周囲の対応によってさらに傷つくことも多いと思います。そうして、被害にあった人が口をつぐんでいく…その現状について、当事者である伊藤さんが問題提起をしています。
書かれている内容は読んでいて読むのが辛いような恐ろしい事なのに、感情的な書き方をせず、わかりやすく時系列で起こった事柄が書いてあります。
読後1週間くらい、この本のことばかり考えてしまうくらいの力のある本でした。
よろしければ是非。